絵空言 2010年11月

絵空言




ぼくには わからないんだ


みているせかいのそとがわに
なにがあるのか
ぼくには わからないんだ

どうなってるかなんて
わかるわけがない

みんな あたりまえみたいに
えきできっぷをかってる

みんなには わかってるのかな
のったでんしゃが どこへいくのか

ほんとうに わかってるのかな
おもいこんでるだけなんじゃないのかな

つぎにめのまえにひろがるふうけいが
どのせかいのどんなものなのか
ぼくにはぜんぜんわからない

みんな あたりまえみたいなかおをして 
あたりまえみたいにあるいて
ぼくを おいこしていく

いつか ぼくにも あたりまえに なるのかな

いつか ぼくも あんなふうに
あるくようになるのかな




・・・あんまり なりたくないようなきも するんだけどね

なにか なくしちゃうような
そんなきが するから



テーマ:ヒトリゴト - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/11/02(火) 21:32:10|
  2. 空言

少しづつ 死ぬ


今日  散歩から 帰る途中でね

僕の心臓が  

冷たくなっていくんだ

気がついたら  凍りついてて

真っ白に なってた

あわてて温めようとしたら

落としてしまって

心臓は

アスファルトの路面で

砕けて  粉々になって

ばら撒かれてしまったんだ


硝子の破片のような その欠片を

掻き集めて

拾い集めて

両の手のひらで包んで

なんとか形作って 温めてみたけど

どうしても

元に 戻らないんだ


欠片は 指の隙間から さらさら零れ落ちて

濁った空気に 溶けてくみたいで

結局 道路にも 僕の手にも 何も残らなかった


僕は 少し ぼんやりしてから

そのまま 帰ったんだ

立ち上がったら 

少し 立ち眩みがしたんだけどね

やっぱり 僕は そのまま帰ったんだ


たぶん このくらいのことは

もう 何でもなくなってしまったんだろう

少しづつ 失って

少しづつ 感じなくなって

僕は 少しづつ 死んでいくんだろう


でも 僕は

なんだか 僕は

そんなふうにして 死んでいくことにすら

もう 何も 感じなくなってしまったみたいだ




テーマ:ヒトリゴト - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/11/03(水) 21:44:31|
  2. 空言

己の骨の 捨て場所




旅路の果てに

別れ 別れて  

人  それぞれに  

ただ 己の墓を 求れば

星明かりの雪原に 

一人  佇む



テーマ:ヒトリゴト - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/11/05(金) 20:02:48|
  2. 空言

個人的感想

いつもの事ですが どうでもいい話です

人様の詩というか ブログというか そういうものをどう読んでいるか

というような 雑感です


あんたの このブログは 何なのさ?

とか言われたら とりあえず 聞こえないふりをします

続きを読む

テーマ:雑記 - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/11/06(土) 19:46:34|
  2. 由無事

夜更けの山



星一つ 瞬いて 朧な道を 辿る

雲 湧き出でて  黒き峰々を覆う

足下さえ見えるなら

立ち止まる理由は 何処にもない

星は  まだ   中天で 瞬いている

引き返すつもりは  微塵もない


じきに 夜は 明ける


テーマ:ヒトリゴト - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/11/07(日) 19:09:05|
  2. 空言

呼吸



蟲の音 絶えた  この宵闇に

記憶を 吐き出し

闇を 吸う


私を 吐き出し

闇を 吸う


私は 闇に満たされ

闇は  私を喰い尽くす


そこに座しているのは  私の影か
                 
やがて 消える  呼吸の律動

この宵闇には 誰もいない



テーマ:ヒトリゴト - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/11/09(火) 20:32:55|
  2. 空言

自由


自由を夢見て 感じる違和感

何処まで行けば 自由になれる?
何処へ向かって 駆ければよい?

重い足  纏わりつく鎖

この足で 駆けれるはずもない
どうして 遠くへ行けようか

脚に食い込む この足枷は何なのだろう
不可視の鎖は 何処に 結びつけられているのだろう


立ち止まれば 私の影が 囁く



「見定めるがいい その足枷を

手繰り寄せるがいい その鎖を

そして

噛み千切れ  束縛を

喰い千切れ 偽りを

切れぬ鎖なら

砕けぬ足枷なら

己の脚を 引き千切れ」



明日という夢に 結合した 
イノチという名の鎖と足枷は 
私には どうしても壊せなかったので


私は 私の影に 従った


消え失せたのは 何だろう

不可避になったのは 何だろう


自由が消えて   私が失せて

私は少し  自由になった


テーマ:ヒトリゴト - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/11/11(木) 19:03:21|
  2. 空言

死期折々


寝言・・・ですよ?


続きを読む

テーマ:ヒトリゴト - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/11/13(土) 08:02:39|
  2. 由無事

離別


弔鐘  鳴りて

友    逝きぬ


風    吹きて

春    訪れぬ


君なき    春に

続く旅路の あては失せ

独り 消えゆく 花霞


テーマ:ヒトリゴト - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/11/14(日) 18:32:15|
  2. 空言

寝る前に 死を歌う


月夜に 僕は 一人でね
死を歌ってた
別に 意味なんてないけど
死を歌ってた
音痴だしね  下手くそだけど
屋上に寝転がってね 
僕は一人で 死を歌ってたんだ
馬鹿みたいな 大声でね



死を讃え  死を貶し
死に怯え  死に憧れる
何もかもが 死んでいく



いつまで経っても 懐いてくれない 隣の猫がね
隣の屋根から 呆れてこちらを見てるけど
そんなの知ったコトかい
ますます 君は 僕を警戒するようになるんだろうな きっと
でも そんなの知ったコトかい



死を遊び 愛が消えてく
死に塗れ 愛なんか とっくの昔に忘れてる
死を叫び イノチが消えてく
死を喰い尽くし  生きてるなんて 何の話か わかりゃしない
死に喰い尽くされて 僕は もう何年も前に死んでてさ
死に蝕まれて 錆びた心は 誰かが触れる端から 崩れてく



デタラメにね   歌詞作って
デタラメにね  リズムとって
足 バタつかせてさ
月が ニヤニヤ笑ってるけど 
そんなの知ったコトかい
星に 何か耳打ちしてるけど
でも そんなの知ったコトかい



死を恐れ  死を愛し
死を望み  死を拒む
いいんだよ
みんなが愛を歌うから
僕は 愛を歌わなくても
死を慈しみ  
死を嘆く
構いやしない
みんなが 生きること歌うから
僕が 死を歌っても
死を描き  
死を歌う
僕には 死しか歌えない
生きようとするたびに 僕の何かが壊れてく
死を踊り
死を歌う
僕には 愛が歌えない
愛するたびに  僕の何かが砕けてく
死に狂い  
死を求め
何もかもが 死に塗り潰されて
僕はもう死んでいるから
今更どうして死ねようか?
そうして僕は一人で
死を掴み
死に満ちて
死に堕ちて
死を握り締め

死に 融けて


・・・死が   消える



僕は 馬鹿みたいに歌ってた
隣の猫は うんざりしたようにノビをして お家に帰る
月も呆れて雲隠れ

そろそろ 雨でも降るのかな
さてさて 僕も 部屋に戻ろうか
ぼちぼち 大家もキレるだろう

歌詞も途切れたコトだし
今夜はもう 寝るとするか



テーマ:ヒトリゴト - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/11/16(火) 20:45:28|
  2. 空言

葬送



風の噂に 聞いたけど

どうやら私が 死んだらしい

骨だけ残して 死んだらしい


何か 探していたらしいが

何も 見つけられずに 死んだらしい


誰かを 探していたらしいが

誰にも気づかれずに 死んだらしい


闇に喰われて 死んだらしい

自分から喰われて 死んだらしい


私の骨は 事象の裏の 虚空の果てに

いつまで経っても 散らばったままで あるらしい




骨は いつしか苔むして

小さな花を つけるらしい



テーマ:ヒトリゴト - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/11/18(木) 19:33:02|
  2. 空言

光は 射しているのか



いつでも 何処にでも
光は射している

そんな 気がした



受け取るか 否かは
あなたの自由だ

そう 書こうと思った





書けなかった


為す術もなく 深き淵に呑まれていく者たち


あの オオウミガラスたちに

光は射していたのか?


彼等の 深淵の最果てに光射す地は あったのか?
彼等が 光の中に 消えて行ったとでも 言うつもりなのか?
彼等自身が それを選んだとでも?

一体 どんな顔をすれば そんなことが 言えるのだろう

彼等は ただ 永久(トコシエ)の闇に無造作に呑み込まれ 噛み砕かれ
ただ 無惨な屍を晒しただけ なのではないのか?


わたしには わからないんだ


すべて  オオウミガラス として 表現できる者たちの苦痛が

無意味としか思えぬ この苦痛が

どうしても 吐き棄てることのできぬ この苦痛が


わたしには わからないんだ




もしも・・・神が いると言うなら  それでもいいだろう

優しくてもいい
厳かでもよかろう
いわゆる造物主としての神がいると言うのなら いても構わない

但し 覚えておいた方が いいだろう

その神の 正気を 誰も保証できないということを





・・・また 小さな声が 聞こえる

「それはすべて 同じことだ 」

「光も 闇も
    現世(ウツシヨ)も 彼岸の果ても」




・・・わたしには わからない



続きを読む

テーマ:ヒトリゴト - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/11/20(土) 09:48:54|
  2. 由無事

宇宙(ソラ)へ

静かな 満月の 夜でした

湖面で眠る水鳥たちは 月の光に目を覚ましました
月の光は 幽かな 懐かしいリズムとなって水鳥たちを震わせたのです
そうして 月があまりにも 輝いていたので
彼等は皆  一斉に水に潜り 揺らめく魚となって 泳ぎ始めました

しばらく水面(ミナモ)近くを周遊しておりましたが どうも 底の方に何かあるようでしたので
魚となった鳥たちは  群れを成して 深みに向かったのです
みるみるうちに 銀色に輝く水面は遠ざかりました

折角 魚になったのだから 湖底をちょっとばかし散策しよう
本当は そう 思っただけなのかもしれません

けれども
泳げども 泳げども
潜れども 潜れども
底には着けなかったのです

この湖は 年に一度
大潮の夜に 底が消えることを 鳥たちは知らなかったのです
それでも ただ 突き動かされるように
暗い水底へと まるで 堕ちるかのように 泳ぎ続けます

闇に堪えられなくなった仲間たちが 次々と引き返し
寒さに堪えられなくなった仲間たちが いつの間にか 姿を消し

沈み続けるのは一握りの者たちだけになりました

微かな明かりすら見えなくなって どれ程 泳ぎ続けたでしょうか

行く手に 点々と 明かりが灯り
それが 天空の星々そのものだと知った時の彼等の喜びを何に例えればいいのでしょう

深淵は 宇宙(ソラ)へと続き
いつしか 鳥たちは 憧れていた星々の闇を泳いでおりました


・・・・・・・


水面近くで 揺らめいていた魚たちは 月の光があまりにも眩しかったので 寝つけずにいたところ

水面で眠っていたはずの水鳥たちが 一斉に魚になって水底へ向かうのを見ました

魚たちは 少し考えた末 水面に 躍り出て 鳥になり
そうして しばらく 羽繕いなどしておりましたが
月が十分に明るかったので 飛び立つことにしました
鳥になった魚たちは  一斉に飛び立ったのです

水面の月が崩れて 再び 形をなした時には
魚たちは 月に照らされ遥かな空を飛翔していました

薄っすらと明るい 地平線を目指せば みるみるうちに日は上り
初めて見る景色に 魚たちは驚きざわめきました
いつもいつも自分たちを脅かす二足動物たちの住処が 延々と連なっていましたが
何と小さく見えることでしょう
その住処が疎らになれば
色づく森 雪の山  あぁ 煌めく湖も見えます
やがて陸地が途切れると 海が広がりました

眩暈のするほどに広々とした海の上を 飛び続けていますと 
やはり 懐かしさに堪えられなくなったのでしょう
多くの仲間たちが魚へと戻り 海へ 堕ちて行きました

やがて 飛び続ける者たちの数が ほんの一握りになった頃
日が沈み始め海は金色に輝き  残された魚たちは 再び 月を 見上げていました
幽かに響いているリズムが強まります

・・・行こう

囁くように聞こえた 誰のものとも知れぬ声は
夜風に鳴る翼の音だったのかもしれません
けれども 魚たちは 風をつかみ 舞い上がりました

高く 高く 高く

遠くへ

月に輝く雲の峰を突き抜けると
青く 透明な大気は すぐに消えて
星々の世界に包まれました

魚たちは 月を掠め   
小惑星を縫うようにして躱し
木星の重力で加速して
惑星軌道を次々に横切り
飛び続けたのでした


・・・・・・・


太陽が 星々の海に 紛れて消えた 銀河の辺境で
鳥となった魚たちは
魚になった鳥たちに 再び出会いました

そうして 鳥は鳥に 魚は魚に戻り
共に 宇宙(ソラ) の彼方を 目指したのです

何処からか聞こえてくる 懐かしいリズムだけを 道標にして
彼等は 宇宙の果てに 消えていったのでした
  1. 2010/11/21(日) 15:41:49|
  2. お話

真似をするのは 無理でした


光の中で 踊り続ける人たちを
あたしは ぼんやり 眺めていたんだ
羨望の眼差しで

光の中で ナイフを振りかざして
取っ組みあって 転げ回っている人たちを
あたしは いつだって 眺めていたんだ
憧憬の眼差しで

殺し合っているのか
愛し合っているのか
あたしには 判別できなかったけれど
そんなのは どっちでもよかった

楽しいのかどうか
そんなことすら わからなかったけれど

ただ あまりにもみんながみんな 
揃いも揃ってそうしているから  
あたしにもできると思った

だから あたしもしばらく 真似をしていたんだ

生きるためには 闘わねばならぬ
絶えざる闘争こそが 生きることである  とかなんとか言って

少なくとも 真似する努力はしてみたんだ

生きることは すべてを愛し 慈しむことだ とかありえないこと言って

ぎこちなく 手足動かしてさ
尤もらしく コトバ紡いでさ


でも 面倒なばかりで
ワケわからなくなるばかりで

結局  
あたしには わからなかったけれど
みんなには わかっているのだろう

あたしには 楽しくなかったけれど
みんなには 楽しいのだろう



生きるということが




でも あたしが それに 付き合わなきゃならない理由は
何処にもないんだよね

振り返れば あたしの影は
もう 充分に 深く広がっていて

振り向きざまに 倒れ込めば
一人で何処までも 堕ちていけるから



あたしはねぇ  

あたしの道を行こうと 思ったんだ





テーマ:ヒトリゴト - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/11/23(火) 20:45:04|
  2. 空言

影踏み


日が傾いて 影が伸び
僕はニヤニヤ笑って 影を踏む

浅いね この影  浅過ぎる
あんた 人生何を思って 過ごしてきたの

浅いよ 浅い 
あんたら いい年こいて 今まで一体 何して来たの

何でこんなに浅いのか
溺れることすら 出来やしない



街は黄昏 影は伸び
僕はヘラヘラ笑って 影探す

ヌルいね この影  ヌル過ぎる
幾らカッコつけても
君の人生 先が知れてる

ヌルいよ ヌルい 
路上で 喧嘩してても 
おまえの影は 話にならん

何でこんなにヌルいのか
あってもなくても 同じじゃね?



あちらの影から こちらの影へ
僕はクスクス笑って 影を踏む

おじいさん
あんたの影は いい味出してる
でも 少しばかり 苦痛が足りない

お姉さん
あなたの影は ステキだね
深まるほどに 澄み渡る
でも 僕が融けて消えるには 清澄に過ぎる



残照消えて  影は消え
僕は 影踏み損ねて 
今日も 此の世に 居残りです

いい影 見つかる夢を見て
今宵も 地球の影で 眠ります





テーマ:奇妙な物語 - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/11/25(木) 22:17:25|
  2. 空言

響く コトバ



暖かな コトバ

秋の日の 緩い陽射しのような



温かな コトバ

冬の朝の ホットミルクのような



柔らかな コトバ

春に眠る 猫のうなじのような





透きとおる コトバ

夏の風に揺れる 硝子の風鈴のような


或いは

           硝子の

                            剃刀のような



テーマ:ヒトリゴト - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/11/28(日) 19:13:43|
  2. 空言

蒼く 染まる




空が蒼く見える そんな日は

どうにも息苦しいのだ

空があるから それで充分なんだ

生きているから  それで

やがて 死ぬから   それで

それで 充分なんだ

きっと あまりにも充分過ぎるから

だから  苦しいのだ



空が深く見える そんな日には

僕は 溺れる魚のように 窒息する

この 抜け出せない 虚しさの中で



テーマ:ヒトリゴト - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/11/30(火) 19:08:22|
  2. 空言