絵空言




渾沌

いつの間にか
生も死も
精神も物質も
何もかもが溶けてしまったようで
雨音の中に
渾沌を眺めている

地に足が着かない
…そうなのかもしれない

そうなのかもしれないけれど

私は…
地に着くことを頑なに拒んでいたようでもあり
足を着けるべき地が 見つからなかったようでもある

今更 地など何処にあるのだろう

着地点を探しあぐねていたら
いつの間にか
天も地も消えてしまったみたいで
何もなくなってしまったんだ

消えたのは錯覚だろうか
消したのは私だろうか

それとも
此処が 地だとでも言うのだろうか
  1. 2014/07/05(土) 06:49:35|
  2. 空言

存在する必要のない宇宙の中に
私が存在する必要など
ありはしないのに

なんで私は生まれたんだろうな
まだ生きてるんだろうな
存在してるんだろうな

この意識
私という認識

記憶された過去
想像される未来
此処という現在

何なのだろうな これは

わからない

わからないというのは 何なのかな
わからないという認識はどこから来るのかな
それもわからない

わからないということもわからない

存在する必要のない宇宙
それもまた私の認識

存在も必要も宇宙も消えて
私が消えて
残ったのは認識なのかな

わからないという認識
わからないという思考
わからないという意思
わからないという言葉

何なのだろうな これは…
  1. 2014/07/05(土) 06:50:33|
  2. 空言

空へ

何処をどう歩いてきたかは忘れたが
気付いた時には
理想は腐り
夢は錆びつき
哲学も
宗教も
薄っぺらくなって矛盾だらけで
ニヒリズムも
アナキズムも
ただの水溜りになってしまった

何もかもが
雨の日に園児たちが長靴はいてパシャパシャやってる
濁った水溜りだ
なんでそんなものがまかり通っているのか
なんでそんなものに満足できるのか

僕は溺れて死ねるだけの深さが欲しかったので
すべての消えていける深さが欲しかったので
一人で深淵を探しに行ったのだけど
海も湖も見つからなくて
延々と歩き続けてはみたけれど
この星には海も湖もないようで
僕は少し困ってしまった

つまんないな

そう思って寝転んで
見上げた空に
僕は溺れて死ねる深さを見つけた

嬉しくなった僕は少し笑って
そのまま空に 溺れて死んだ

何もかもが空の中に 小さくなって

やがて消えてしまった


テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学

  1. 2014/07/15(火) 19:51:05|
  2. 空言