絵空言




或る 雨の日に


何処から迷い込んできた その蝶は
何処へ行くつもりだった この蝶は

雨の日の 駅舎の天井で
何故にそんなところで 羽ばたき続けている
出口はそっちじゃない
そこからは 何処へも行けはしない

やがて
力尽き 地に墜ちて
蝶は知るだろう
青い空を
羽ばたくべき空を

破れた羽を引き摺って
蝶は見上げるだろう
深い空を
羽ばたいていたはずの空を

汚れた水たまりに蝶は墜ち
水たまりには 果てなき空が 映るだろう








テーマ:詩・ポエム - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/07/02(金) 18:18:05|
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