絵空言 槍ヶ岳 追想

絵空言




スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

槍ヶ岳 追想

 
俺は 本当は あのとき底まで 落ちたのかもしれない
雪壁を滑り落ち 岩に打ちつけられて 瀕死で 雪の上に 横たわっているのかもしれない
今の俺は  そんな俺が見ている 夢  なのかもしれない

最後まで 行ける という 感覚がなかった
槍ヶ岳に 辿り着ける という 感覚が希薄だった 
だから 途中で 何か あるとは思っていた
横尾の谷でも 高巻こうとして 滑り落ちた
雪庇から落ちる前日にも 南岳で 写真を撮ろうとして 凍りついた斜面を 滑りかけた
意識の何処かで 俺は またもや 死を拒絶していたのか
死ぬはずだったのに その微妙な 迷いが軌道を変え ひとつの終点を 延期してしまったのか
それとも

まだ 死ねないだけか
まだ 死ねるほどには 生きていない それだけのことか
しかし ただ一つ はっきりしたのは 自分はまだ それほど死にたいわけではない ということ
生きたいわけでは ないにしても

目前に与えられた 死の機会を 意識しつつも 避けた    ・・・避けてしまった
その結果は  ・・・これから身をもって知ることになるわけだ





テーマ:ヒトリゴト - ジャンル:小説・文学

  1. 2009/01/02(金) 15:07:13|
  2. 日記
  3. | コメント:0
<<師匠の遺言 | ホーム | 序文>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。