絵空言 迷子

絵空言




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迷子

もう 十分 生きたつもりになって

全世界に背を向けて

私は何処へ行くつもりなんだか

苔むした細道を 一人 辿って 

私は一体 何処へ着くつもりなんだか




当たり前のモノを 

当たり前に受け取り損ねた私は

いつだってへらへら笑って

誰もが 私を 軽いヤツだと思ったらしい

薄っぺらなヤツだと思ったらしい

どう思われようと知ったこっちゃないが

私は 何もかも捨てて 誰よりも 軽く 

何もかも削ぎ落として 剃刀よりも 遥かに薄く

そうして私は風に飛ばされ

道のような処を 何処かに辿り着けるつもりになって

歩いていたわけだが

結局のところ

ただ 世界を後ろにしてしまったこと以外は 何もわからぬ




途方にくれた私は 

稜線を確かな足取りで歩いて行く老人に

助けてくれと 腕を伸ばしたが

伸ばした腕は 呆気なく 切り落とされ

老人は 一言     慈悲だ    と 呟く

あぁ  そうか

私にはまだ 世界が 必要だったのだな

まだ 生きていない私には 死ぬことすらも できぬのだな

と  わかったつもりになって 後ろを振り向けども

苔むした細道が続くばかりで

生きるべき世界は  あまりにも遠くなり過ぎていた




進むことも 引き返すこともできずに

ひたすらに立ち尽くしていた私が

私の世界は とうの昔に消え失せていて

進もうと引き返そうと

どちらに向かって歩こうと

行き先が 変わらないことに気づいたのは

つい 最近のことである


テーマ:ヒトリゴト - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/08/31(火) 18:40:10|
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