絵空言 日が暮れる  僕は途方に暮れる

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日が暮れる  僕は途方に暮れる




日は 街を茜に染めて 沈み切り

子供たちが帰った後の  空き地でひとり

僕は 僕の 頭蓋骨を蹴飛ばして

あなたの言葉を 反芻する

「君は 誰でもなくなればいいんだよ」

頭蓋骨は 転がって 草叢に消え

僕は 混乱して 呟く

「じゃあ僕は 人間ですら なくなってしまえ」


そうして  僕は  もう  誰でもない

だから 僕は 隣の猫で

公園で 戯れていた アオスジアゲハで

ごみ捨て場に死んでいた シオカラトンボだ



空は 闇に満ち   街は 灯りに包まれる

街灯の光 届かぬ 空き地でひとり

僕は 僕の頭蓋骨を探しながら

あなたの言葉を 繰り返す

「君は 元々 誰でもないんだよ」

頭蓋骨は どうしても見つからず

僕は あなたがわからず 絶叫する

「だったら僕は イノチですら なくなってしまえ」

そうして 僕は もう 何でもない


だから  僕は 君が 昨日 踏み躙った雑草で

君が 明日 蹴飛ばす 石ころで

その石ころの落ちた ドブで

それを見ていた 鴉で

その上を 通り過ぎた 雲で

僕は 誰でもなくて 何でもなくて

頭蓋骨は見つからなくて

真っ暗になってしまった空き地で ひとり  

僕は うろうろしている



テーマ:ヒトリゴト - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/10/24(日) 18:12:32|
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