絵空言 寝る前に 死を歌う

絵空言




寝る前に 死を歌う


月夜に 僕は 一人でね
死を歌ってた
別に 意味なんてないけど
死を歌ってた
音痴だしね  下手くそだけど
屋上に寝転がってね 
僕は一人で 死を歌ってたんだ
馬鹿みたいな 大声でね



死を讃え  死を貶し
死に怯え  死に憧れる
何もかもが 死んでいく



いつまで経っても 懐いてくれない 隣の猫がね
隣の屋根から 呆れてこちらを見てるけど
そんなの知ったコトかい
ますます 君は 僕を警戒するようになるんだろうな きっと
でも そんなの知ったコトかい



死を遊び 愛が消えてく
死に塗れ 愛なんか とっくの昔に忘れてる
死を叫び イノチが消えてく
死を喰い尽くし  生きてるなんて 何の話か わかりゃしない
死に喰い尽くされて 僕は もう何年も前に死んでてさ
死に蝕まれて 錆びた心は 誰かが触れる端から 崩れてく



デタラメにね   歌詞作って
デタラメにね  リズムとって
足 バタつかせてさ
月が ニヤニヤ笑ってるけど 
そんなの知ったコトかい
星に 何か耳打ちしてるけど
でも そんなの知ったコトかい



死を恐れ  死を愛し
死を望み  死を拒む
いいんだよ
みんなが愛を歌うから
僕は 愛を歌わなくても
死を慈しみ  
死を嘆く
構いやしない
みんなが 生きること歌うから
僕が 死を歌っても
死を描き  
死を歌う
僕には 死しか歌えない
生きようとするたびに 僕の何かが壊れてく
死を踊り
死を歌う
僕には 愛が歌えない
愛するたびに  僕の何かが砕けてく
死に狂い  
死を求め
何もかもが 死に塗り潰されて
僕はもう死んでいるから
今更どうして死ねようか?
そうして僕は一人で
死を掴み
死に満ちて
死に堕ちて
死を握り締め

死に 融けて


・・・死が   消える



僕は 馬鹿みたいに歌ってた
隣の猫は うんざりしたようにノビをして お家に帰る
月も呆れて雲隠れ

そろそろ 雨でも降るのかな
さてさて 僕も 部屋に戻ろうか
ぼちぼち 大家もキレるだろう

歌詞も途切れたコトだし
今夜はもう 寝るとするか



テーマ:ヒトリゴト - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/11/16(火) 20:45:28|
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