絵空言




静かな 朝



朝焼けの中に

私 が

落ちていた



記憶が 風に押されるようにして 歩いて行った

私 を 置き去りにして


あぁ 記憶の後ろ姿は 儚いな

と 思った


そんな 私 を見捨てて

影は 忍び足で 後退りして行った


私 は それに 気づいてはいたのだけれど

どうすればいいのか わからなかった


思考と感情は 混乱して

それでも暫く 抵抗して 

空に 赤黒く 渦を巻いていたのだが

やがて 諦めたのか   霧のように 消えた

血を 流したような  空に  




あぁ  やっぱり 何にもなれなかったのだな   

私 は




そこはかとなく浮かんだ想いは

すぐに 私 を 捨てて

朝焼けの中に   見えなくなった



テーマ:ヒトリゴト - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/12/05(日) 18:55:32|
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