絵空言 綻びていく景色

絵空言




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綻びていく景色

今日 散歩をしていたら
景色が少し 綻
(ほころ)びていました

空は青色で
桜は薄紅色で
いつもどおりだったのだけど

それでもやっぱり
景色は少し 解
(ほど)けていました

(さび)色の時代が 近いようでした

僕は口の中に 血の味がして
唾を吐いたけど 血の味はとれなくて

見上げれば梢の先を 風が渡っていきます
鳥のいない空を 雲が過ぎていきます

いつもどおりの道に
いつもどおりの僕の影法師

それでもやっぱり
景色は確かに 綻び始めていて
解け始めていて
腐食し始めていて

それは誰も気づかないうちに始まっていて
誰もが気づき始めた頃には手遅れで
僕たちは泣き笑いながら死んでいくしかないのだけど

僕には為す術
(すべ)が ない

青い空も
薄紅の桜も
消えてしまうかもしれないのに

僕にはまるで 為す術がない

だから僕は
いつもの影法師を踏みながら
いつもの家路を辿りながら

そっと 世界を手放そうと思った




テーマ:ヒトリゴト - ジャンル:小説・文学

  1. 2014/03/30(日) 22:08:00|
  2. 空言
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