絵空言 死と呼ばれる この深淵に

絵空言




死と呼ばれる この深淵に

死を眺めていた
遠く遠くに 死を眺めていた
そう 思っていたのに

気づくと
死を覗き込んでいた
手を伸ばせば触れられそうな 深淵を
言葉もなく
覗き込んでいた

生が色褪せ 遠くなってゆく

私に遠かったのは
死ではなくて 生でした

「死にたいのかい?」

いいえ 私はただ
死と呼ばれるこの深淵に 触れていたいだけなのです

  1. 2015/01/26(月) 21:41:45|
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