絵空言 散りゆく季節

絵空言




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散りゆく季節


彼方を見つめ
生と死を 遥か後ろに
三千世界の尽き果てる処
虚空の淵に立ち 途方に暮れてゐる

さうして足元の小石に蹴躓いて 僕は目を覚ますのだ

冷たい雨が通り過ぎ
金木犀は 疾うに散り失せ
沈丁花の まだ咲く筈も無く
流れゆく人波の中で
僕は居場所を見失ふ

僕と云ふ何かは
僕と云ふカタチを地上で再構成することに失敗し
陽炎のやうに彷徨つてゐる

どうして僕に居場所などあるだらう
どうして僕に帰る場所などあるだらう

どうして僕と云ふ何かの存在する余地があると云ふのだらう

僕と云ふ何かが居ないのなら
安息の地など 有る筈もなく

煌めき輝く世界は 再び 僕の手を擦り抜ける

さうして僕は 手を伸ばす事すらせずに見つめてゐるのだ

この町並みも
この喧騒も
馴れ親しんだ人々も
遠く遠く 触れる事の叶ひ得ぬまでに遠く
霞と消えゆくのを見つめてゐるのだ

僕の前には唯 茫漠たる虚空が開け

僕は塵へと還元され

風に溶け

虚空へと消える…


  1. 2016/10/13(木) 21:40:49|
  2. 詩想
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